【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2022年10月9日

「夢、最後まで」

東京ヤクルトスワローズの若き四番打者、村上宗隆選手が、最終戦最終打席で、王貞治選手が持つ日本人本塁打記録55本を58年ぶりに越えた。更に22歳の若き燕はこの最終戦で18年ぶりとなる三冠王(本塁打/打率/打点)を史上最年少で達成した。二軍時代から村上選手を育てた高津監督は、「シーズン最後の打席で56本目が出るなんて、なかなか漫画でも描けない事」とその初球を一発でとらえたバッティングを称賛した。しかし、そんな村上選手の歴史的記録も順調ではなかった。55本目を打ってからシーズン最大のスランプに陥り、13試合60打席ホームランがないばかりか三冠王も危なくなった。そんな彼を見た高津監督は、大記録を前にした残り2試合で村上選手を休ませた。残り1試合とした最終戦で打てなければ、三冠王も本塁打新記録もない中での最終打席で世界のホームラン王である王選手を越えるとは、もはや漫画をも越えた。驚きは更に、そんな村上選手も2017年のドラフトではどの球団からも1位指名を受けていない。外れ1位でヤクルト入団。故野村監督は「王の記録を破れ」と夢を託したと言う。彼の背番号55は、その王選手の本塁打記録数であって、村上選手がユニフォームに背負ったこの55は単なる数字ではなく、多くの人々の夢と期待が込められた余りにも大きな55だったのである。

私達キリスト者も、天の夢と期待を背に生きていると言える。しかし、その険しい道は、私や全人類の罪咎という十字架を背負って歩いて下さった主の背を追う道である。魂の羊飼い・人生の監督なる主が、選ばれるにも足りない私をも愛し信頼して共に労し、やがていつか人生の勝利者となるように共にあって励まし育てて下さるのである。だからこそ私達も、十字架の救いを世界に伝え続けるという主の夢と期待をこの背に、人生最終戦最終打席まで諦めずに戦い続けようではないか。「もし最初の確信を、最後までしっかりと持ち続けるならば、私たちはキリストにあずかる者となるのである」ヘブル人への手紙3:14