【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2022年7月17日

「崩壊の軌道」

先月末より、東京都心でも9日連続の猛暑日となり、統計開始以来の最長記録で、「災害級猛暑」とまで言われました。それは日本だけでなく、世界中で異常気象が頻発しています。先月、イタリアでも3千メートル級の山頂氷河が崩壊して多くの死者が出ました。気温の急上昇が原因と言われています。もはや、「地球温暖化(グローバルウォーミング)」ではやさしすぎて危機感がありません。環境破壊どころか、「地球崩壊化」ぐらいで呼んだらどうでありましょうか。

今、私達の世界が直面しているのは自然破壊だけではなく、紛争や侵略による恐ろしい「人的破壊」で多くの人々が痛み苦しんでいます。手元に届いたユニセフ機関紙Unicef newsには、「忘れない人道危機 すっとそこにいるユニセフ」という特集がありました。【以下Unicef news一部抜粋】

砂漠に水を撒くようなもの--人為的に発生した武力紛争、特に何十年も続く危機の現場で展開する人道支援活動は、そんな風に評されることがあります。「紛争の原因となっている根本的な問題を解決しなければ、いつまでたっても…」。人道支援活動には、目の前で繰り広げられている戦闘を止める力はありません。しかし紛争が起きているその場所にも、地域や国、そして国際社会の未来を担う子供達がいます。ともすると忘れがちですが、子供が子供で居られる時期は短いのです。だからユニセフは、今を生きる子供達のために、あきらめずに人道支援活動を続けます。たとえ、砂漠のような不毛の地に見えたとしても、そこには、水を撒けば芽吹いて緑になっていく種--子供達の未来--があるのです。

人類が崩壊の軌道をたどるこれらの「人道危機」。人道とは、人の生きるべき道、あるべき道、守るべき道、それが今脅かされています。ユニセフが、そして世界が嘆く「根本的な問題解決」とは、そんな砂漠と化した人の心に、命の水を湧きあがらせる「私が道である」と言われた方、この道以外にはありません。