【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2022年4月10日

「人類号沈没危機」

ウクライナに侵略したロシア軍による、とても人間の行為とは思えない残忍で極悪非道な殺戮が世界を震撼させた。バイデン大統領が戦争犯罪人と呼ぶプーチンは、民間人大量殺害を目的とする生物/化学兵器や核兵器の使用まで口にしている。これはもはや単にウクライナへの侵略ではなく、人類に対する挑戦である。

今日4月10日は、現在183ヶ国が加盟する「生物兵器禁止条約」が、1972年に47ヶ国で調印された日である。勿論、その47ヶ国の中にロシアがあるだけでなく、この日、世界3ヶ所で行われた調印場所の一つがモスクワである。この条約は、生物/化学兵器を使用しないだけでなく、その開発、生産、貯蔵も禁じるものであり、更に、保有する物は全て破棄するという条約である。それが今、世界平和を願い、世界が調印したそのモスクワにあると言うのか!

また1912年4月10日は、豪華客船タイタニック号が処女航海でイギリスから出航した日である。ご存知の通り、その僅か3日後カナダ沖北大西洋上で氷山に衝突し沈没。1513人の命が失われた20世紀最大の海難事故である。

歴史が証明するよう、18世紀に起こった啓蒙主義以来、人類は神を畏れる事をやめ、神を排除し自ら神に代わろうとした。すると、次の19世紀には2つの世界大戦が起こり、神を殺した人類は、次に人を殺すようになったのである。

神を畏れず、自らを過信して出航する人も、統治者も、国も、時代も、その行き着く先はみなタイタニックと同じである。戦後、私達が注意深く大切に努力して積み上げてきた世界平和が、こんなにももろく一瞬で崩れ落ちるとは。今、私達はそんな壊れやすい危ない世界に生きているという事、今こそ目を覚ますべきである。そして今こそ、人類が平和を切望して再び神に帰り、神を神として畏れ敬い、人として失ったものをもう一度取り戻すべき時にある。巨大な氷山に衝突して沈没する21世紀最大の人類号海難事故となる前にである。