【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2022年3月6日

「コメディアンから大統領へ」

今週金曜の3.11は東日本大震災から早11年を数える。誰もが望んだ平和な21世紀。しかしそれは9.11同時多発テロから始まり、アフガン戦争、2年に及ぶコロナCovid-19の世界感染。死者は597万人を越えた。そして10日前、平和の祭典オリ/パラピック中にもかかわらずロシアがウクライナに侵攻した。核兵器の使用さえもチラつかせ、とても正気とは思えない。今、私達人類は、内側からも外側からも、見える敵/見えない敵に攻撃され続けている。私達の21世紀とは、はたしてどんな時代になるのであろうか。今年の聖句にもある「アルファ」(始め)より「オメガ」(終わり)をより身近に感じるのである。

ロシアが首都キエフのテレビ塔を攻撃した3/1、近くのバビヤール・ホロコースト(ユダヤ人大量殺戮)追悼施設もミサイルで破壊した。何れも軍事施設ではない。ここは80年前、3.3万人のユダヤ人が殺害されたその場所である。現在もウクライナには多くのユダヤ人が住み、若干41歳で大統領となったゼレンスキー大統領もユダヤ系ウクライナ人である。彼は元々コメディアンであり俳優であって、最もあり得ない国家指導者と言われたが、今は世界で最も親しまれ尊敬される指導者である。安全な国外逃亡への手助けを申し出た外国勢力を断わり、側近と共に何とキエフの町中から「私達はここにいる」と国民と世界に映像メッセージを送った。彼が興した「国民の僕」党は、その名だけでなく、自らの命をも投じて国民を守るまことの僕、まことの指導者であった。

先週の水曜はレント(復活祭前の40日間)が始まる「灰の水曜日」。カトリックや聖公会では、十字架等を焼いた灰を額に塗り、土から取られた人はやがて土に帰る事、即ち死を覚え、自らの罪を悔い改めて祈る日であった。80年に渡って平和が祈られたあの地を再びホロコーストのような恐ろしい死が支配する事がないよう、私達は十字架を前に、この日本からも共に祈るのである!