【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2020年2月23日

「 脱遺跡、脱考古学 」

昨年9 月の就任以来、忠実に、また熱心に、主と教会に仕えて下さっている若き梅津伝道師が、今朝も主のメッセージを取り次いで下さる。私をはじめ、この教会にとって大いなる喜びであり感謝であり楽しみである。先日、そんな若い先生とコーヒーショップに入って、置かれてあった新聞見出し「昭和だって考古学(遺跡を巡る動き)」に驚いた。平成生まれの若先生を前に、私も、「もはや、考古学対象か?遺跡か?」みたいで、あまり気分のいいものではなかった。面白い事に、その下にあった広告は、高齢者に人気のサントリー・ロコモアの宣伝。「70代、最初の一歩が、出ないのよ!」だった。

お正月の風物詩と言えば、日本では箱根駅伝、アメリカでは昔からローズボウル(大学アメフト決勝戦)である。昔、UCLAとジョージア・テクとの試合で珍事が起こった。敵がファンブル(落と)したボールを拾ったUCLAロイ選手は、方向感覚を失って自分のゴール目指して走ってしまった。チームメイトのタックルでタッチダウンはゴール寸前で免れたが、スタジアムは大笑いとブーイングに満ちた。これを機にUCLAは前半戦負けでハーフタイムを迎えた。重い雰囲気の中、コーチ・プライスは後半戦スタートを前に「後半戦、同じメンバーで戦う!」と選手を奮起した。選手達が掛け声と共に勇ましく立ち上がる中、ロイはロッカールーム隅で頭を抱えていた。コーチが近づき「聞こえないのか?同じメンバーで戦うと言ったではないか」と言うと、ロイは「コーチ、私にはできません。私は大切な試合をめちゃくちゃにして、コーチやチームメート、大学や応援してくれる人をも裏切ってしまった」と泣きながら見上げた。彼の肩に手を置いたコーチは、「ロイ、立ち上がれ!行くのだ!まだハーフタイムだ、試合は終わってはない!」と言った。そして、このコーチの言葉に立ち上がったロイは、2年後このチームのキャプテンとなり、オールアメリカンチームの代表に選ばれたのである。

昭和生まれの私達は、もはや遺跡になった訳でも考古学となった訳でもない。いくつになっても、ただ今ハーフタイム!人生のコーチなる主の言葉と、たとえ方向間違えて走っても、身を挺して愛のタックル(?)で止めてくれる兄弟姉妹(教会)があるのだから。主のため、皆のため、この救いと勝利の福音のため、後半戦最初の一歩を踏み出そうではないか。そう、「私の人生、最も若い日とは、今日!」なのだから。昭和よ、主にあって今こそ立ち上がれ!