【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2020年1月19日

「 夢の靴 」

すっかりお正月の風物詩となった箱根駅伝。今年は記録づくしで、10区7区間で区間新記録が生まれ、3年ぶりに優勝した青山学院大学は、大会記録を5分15秒も更新し、「駅伝新時代到来」とまで言われた。TV を見て誰もが不思議に思った事は、殆どの選手が履いているピンクのシューズである。実はこれが今年の新記録ラッシュの火元ではと言われている。ナイキが開発した「ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」という訳のわからない名の高速ランニングシューズである。色がピンクなのでいやでも目立つ。今年の箱根駅伝では、全ランナーの84.3%がこの高速シューズを履いていたというから驚きである。

ナイキによると、軽さと反発力を備えたシューズで、推進力をつける為、航空宇宙産業で使用される特殊素材を用い、埋め込まれたスプーン状のカーボンプレートが反発力によって推進力を生み出すとの事。ランナー達は、「まるでシューズが勝手に走ってくれるようだ」と言う。

この夢のシューズ、実は昨年9月に行われたオリンピック代表を決めるMGC レースで優勝してオリンピックのチケットを手にした中村匠吾選手、2位の服部勇馬選手、3位の大迫傑選手を含め、上位10人中8人がこのピンクシューズであった。あまりの圧巻ぶりに翌日(16日)の朝日新聞「天声人語」が取り上げたほどであった。東京マラソンで16年ぶりに日本記録を破った設楽悠太選手や、其の後、シカゴマラソンで記録を塗り替えた大迫選手もこのシューズで、話題となった1 億円賞金を手(足)にした。海外ではケニアのキプチョゲ選手が非公式ながら、このシューズで人類初のマラソン2時間切りの1時間59分40秒という驚異的な記録を出した。

この常識を覆す「夢のピンクシューズ」は、海外では「魔法の靴」とも呼ばれ、速すぎて騒動が起こっている。先週、イギリスのメディアが、「世界陸連がこのシューズの使用禁止、または規制をかける見込み」と伝えた。できれば東京五輪でも、ピンクにうまった多くの世界記録を見たいものである。

エペソ書6 章にある「神の武具」の一つが靴であって、「平和の福音の備えを足に履きなさい」(エペソ書6:15)と命じられている。また、ローマ書10:15には、「ああ、麗しいかな、良きおとずれを告げる者の足は」とあり、一刻も早く迅速に福音(良きおとずれ)を伝える使命が、私達に委ねられている。だから、私達も聖霊様にいただいた神の武具なるこの不思議なシューズ、夢の靴を履き、ゴール目指して一心に走ろうではありませんか。