【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2019年9月1日

「 心の防災日 」

本日の「防災の日」を前に、8/27 の新聞各社は、朝日(天声人語)、読売(編集手帳)、毎日(余禄)そろって異常気象について警告を発した。「天声人語」では、最近の夏の風物詩はゲリラ豪雨だけでなく、余りの暑さで、昼は街中で日傘男子や日傘おじさんをよく見かけるようになり、都会ではセミはいつから夜鳴くようになったのかと訴えた。「編集手帳」では、東京の夜に46.3 度という幻の最高気温があった事を告げた。1923年9月1日、昼に起こった関東大震災の火の粉が飛んだ夜であったと。「余禄」では、地球の酸素の2割を供給する「地球の肺」と呼ばれるブラジルアマゾンの森林火災に触れ、「ブラジルで蝶が羽ばたくと、テキサスで竜巻が起きる」と、グローバル化した複雑で深刻な問題に警鐘をならした。

確かに、夜にセミが鳴くのは不思議であり、あまりの暑さで、最近は昼間蚊に刺されることもなくなった。異常気象を遠くアマゾンの森や北極の流氷に確かめに行く必要はない。まさかと思ったが、先週、実家(東京)の父が、家のベッドの上で熱中症になり救急車で運ばれた。家のエアコンが壊れたのも、あれもこれもみな異常気象のせいにするのは気が引けるが、余りの暑さで黙っていられない気分である。

日本にも「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺があるが、誰もが関係ないと考えるブラジルの蝶とテキサスの竜巻。これこそ私達人間の問題であろう。自分や自分の周りの事しか関心がない人の心。最近再びグローバル化しつつある「自国第一主義」。自分さえよければよいという身勝手な考えが、見えない遠くの世界や、明日の世界に影響を及ぼし破壊する。人は蝶の羽ばたく風が、やがて大地を破壊する竜巻となる事を見ようとはしない。

この世界を創造された神は、この美しい神の作品である全世界を人の手に渡され、これを正しく治め管理するよう命じられた(創世記2:15)。だからこそ、人はまず神に私の心という内なる世界を治めていただかなければ、委ねられた外なる世界を正しく治める事はできない。この「防災の日」、私達は、内なる災害である罪に対する防災も怠ってはならないのである。

「実に、被造物全体が今に至るまで、共にうめき共に産みの苦しみを続けている事を、私達は知っている」 ロ-マ書8 章22 節