【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2019年8月11日

「 No More Hiroshima! 」

今年74 回目を迎える終戦記念日。この8 月6 日、広島原爆の日に、新しい令和の時代となって初の「平和祈念式典」が広島平和公園で行われた。同日、NHK では、今年4 月リニューアルした「広島平和記念資料館」より「”ヒロシマの声“がきこえますか」という特別番組が放映された。

生存する被爆者の平均年齢が82 歳を越えるとのこと。世界で唯一の被爆国である私達日本人は、この「ヒロシマの声」をいつまでも絶やすことなく、世界に発信し続ける責任と使命がある。

新しい資料館では、当時の有様を再現した被爆人形等、名前のない作り物は展示から取り除いた。この展示すべてが、作り物でもフィクションでもなく、真の現実である事を、その恐ろしさを直接知ってもらう為であるという。展示物を提供したひとりのご老人が、涙ながらに「単なる遺品を見るのではなく、その背後にある愛する大切な人を失った家族の心を、その痛み悲しみを感じてほしい」と言っておられた言葉に胸が深く痛んだ。

その展示物ひとつひとつの背後に、今もある人の心の痛み悲しみを、この胸に知る事なしに「No More Hiroshima!」を貫く事はできないであろう。アメリカWashington DCにある戦没者慰霊碑、そこに刻まれた58,000の名前も、毎年二日半かけて丁寧に一人一人の名前を読み上げるのである。それは単なる文字でも数字でもなく尊い命であって、その背後には数えきれない多くの愛する者達の涙があるからである。

ベトナム戦争後に一人の女性が書いた「You Didn’t」という詩で閉じたい。「買ったばかりの新車をぶつけた時、叱られると思ったのに、あなたは怒らなかった。あなたのお気に入りの洋服に、いちごケーキを落としてしまった時も、あなたは怒らなかった。フォーマルパーティーだと言い忘れて、あなたがジーンズで来た時も、あなたは怒って帰らなかった。そう、あなたは多くの事をしなかった。あなたはいつも優しく、どんな時も私を守り、私を愛してくれた。ベトナムから帰ってきたら、今度こそは、私があなたのためにと待っていたのに…あなたは、あなたは帰って来なかった。」

「だから真実と平和を愛しなさい」ゼカリヤ書8:19