【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2019年7月28日

「 心の高圧洗浄機 」

令和最初の梅雨は長かった。数日前、長雨でカビと汚れが目立つベランダを高圧洗浄機で洗った。日本でも最近見るようになったが、カナダでは何十年も前から、家の外壁・デッキや車の汚れを落とす為の一家一台の必需品である。これが実に簡単に(何といっても汚れに一切触れずに)、気持ちよくどんな汚れも見事に落として行く様には、心癒される感覚さえ覚えるのである。そんな光景に多少酔いしれたか、やりすぎて汚れと共に車の塗装まで落としてしまった。。。侮るなかれ、水の力、恐るべしである!

ネットには魚のうろこ落としなど、ユニークな使い方が紹介されているがその一つがこれを使った芸術である。特に有名なのは、その意外な作品場所や雰囲気、風刺等のメッセージ等がバンクシーに似ていると言われるドイツ人フリーランスアーチスト、クラウス・ダオフェンの作品である。この写真は彼が2008年に栃木県松田川ダムにケルヒャー高圧洗浄機で描いた「Hanazakari花ざかり」という巨大な作品である。

彼のアートは、キャンバスに何かを描き、即ち、色など何かを加えて作成するのではなく、既にそこにあるものから削除することによって作品を作るというのであって、世界中の汚れた壁を探しているというから面白い。素人の私など、作品というのは真っ白で、何もないキャンバスや素材に色や形を加えることによって作成するものとしか考えていなかった。誰の目にも汚れていて、芸術とはかけ離れたただの醜い壁が、アーチストによって、美しい素晴らしい作品に変えられてゆく姿は圧巻である。

エペソ書5:26に、神は「御言葉により、水の洗いによって教会を聖めて聖なるものとされる」とあるごとく、聖霊様の力によって押し出される聖書の言葉は、私達の汚い罪の壁を洗い流してくれる。一人一台必要な「心の高圧洗浄機」である。そう、神はダオフェンのように美しい壁ではなく、汚れた壁を探しておられるのである。たとえ、その全てが落ちなくても、こんな汚れた心にさえ、神は美しい天の花を咲かせて下さるのだから。