【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2019年6月16日

「 藍白のツリー 」

飛行機の中で読んだビジネス誌に、東京スカイツリーの記事があった。「平成の象徴とも言える東京スカイツリーのオープニングから7 年が経ちました。昭和を代表する東京タワーに比べて、近未来を感じさせる東京スカイツリーのカラーデザインは、日本の伝統色である“藍白(あいじろ)”をベースにしたオリジナルカラーの“スカイツリーホワイト”です」。

なるほど、スカイツリーの美しさはその形だけでなく色にもある事に気づかされた。確かに、微かに青みを帯びた白色で、東京の空には実に美しく、また優雅で上品な色合いなのである。

今回、暫くぶりのカナダに帰ったが、改めて日本人の色彩感性の深さ・豊かさに感動を覚えた。日本特有の文化や四季折々の中で生まれて来た日本の伝統色は1000 色余りもあると言われ、その一色一色すべてに名前があると言う。その多くが植物や自然の色に起因しているそうである。それは、日本独特の美しい四季の移り変わりが、私達の文化や感性に多大な影響を与えている故であろうか。この日本人の心の繊細さは特別で、他の国の誰も気づかない色彩や明度の繊細な違いを見分けて把握する力がある。微かな違いをも大切にし、これを味わい楽しむ心の豊かさがあるのである。

例えば、「雪の国」カナダであっても、「雪」は”Snow”一つしかないが、日本語には「粉雪、淡雪、綿雪、牡丹雪」など36 種類の雪が、降り方等を含めれば100 種以上あると言われる。また「黄色」だって、「山吹色、レモン色、黄金色、菜の花色」などなど、実に細かく豊かな表現である。原色を中心とした色の組み合わせを多く使うカナダ(欧米?)と違い、日本人の違いを楽しむこの繊細な心は他に類を見ない。

今、屋上の十字架も、赤から白に変わろうとしている。私達は、真っ赤な主の血潮で罪洗われて白くされ、違いを越えて一つとなるのである。今朝の御言葉こそ、私達教会が互いの違いを認めて受け入れ、一つとなる為に主が祈られた箇所である。新しい時代へと、私達も一つとなって美しく麗しいツリー(十字架)を、この世に示そうではありませんか。