【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2019年3月31日

武井博 名誉牧師 著

 今、金曜日の「聖書を学ぶ会」では、イスラエルのソロモン王について学んでいます。ソロモン王は大変な賢者で、その聡明さを示す典型的な例が、ソロモンの名裁判です。―――二人の遊女A とB が、ソロモン王の前に来て、二人のトラブルについて、王の裁断を仰ぎました。二人の女は一つの家に住んで、先ず、A 女がその家で子どもを産みました。その三日後にB 女も子を産みました。ところが、B 女が夜中に自分の子の上に伏したため、その子は死んでしまいました。そこでB 女は夜中に起きて、A 女が眠っている間にA 女の子を取って、自分の懐に寝かせ、自分の死んだ子をA 女の懐に寝かせたのです。そして、A 女が、朝、子どもに乳を飲ませようとして起きて見ると、何と、懐の中の子は死んでいました。しかし、よく見てみると、その子はA 女が産んだ子ではありませんでした。
 ―――A 女がソロモン王にそう訴えると、もう一人のB 女が叫びました。「いいえ、生きているのが私の子で、死んだのはあなたの子です。」
 それを聞いて、ソロモン王は部下に命じて、刀を持って来させ、その部下に命令しました。「生きている子を二つに分けて、半分をこちらに、もう半分を、あちらに与えよ!」すると、その子の母であるA 女は、叫びました。「ああ、わが主よ、生きている子を彼女に与えてください。決してその子を殺さないでください。」すると、B女は言いました。「その子を、私のものにも、あなたのものにもしないで、分けてください。」
 すると、ソロモン王はついに審判を下しました。「その子をA 女に与えよ! その子を決して殺してはならない。A 女はその子の母なのだ。」
 確かに、このソロモン王の裁きは、素晴らしいものでした。本当の母親の愛は、わが子の命を何にも増して最優先したのです。――――
 この素晴らしい裁きを読んで、思うことがあります。最近、わが国では、自分の幼い実子をいじめ、体罰を加え、ついには殺してしまう、という、まことに凄惨な事件が起こっています。もし、こういうニュースを、ソロモン王が耳にしたら、絶句して、「もう、私には裁けない」と頭を抱え込んだかも知れません。もう、母親の根源的なわが子への愛が失われてしまっているのでしようか?! 親の、わが子に対する愛が根本から崩れてしまっているのでしょうか?! まことに、慄然とせざるを得ない現象です。
 最近発表された世界の国の‟幸福度”評価でも、日本は世界156 か国の中で、何と、58 位と評価されました! 因みに、幸福度ベスト3 を占める国々の宗教を調べてみると、1 位のフィンランドは、国民の80%が、ルーテル派が多数を占めるキリスト教徒、2 位のデンマークも、3 位のノルウェーも、クリスチャンが約80%という内訳でした。
 こんな事実を示されると、急に、‟日本人の幸福度を引き上げるのは、キリスト教だ。”と、勇気が湧いてきます。私たちも主に依り頼んで、日本人の幸福度の向上に尽力させていただきましょう!! ハレルヤ!!