【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2019年2月24日

「 ダナンの奇跡 」

今週、アメリカトランプ大統領と、北朝鮮キム・ジョンウン(金正恩)委員長との米朝首脳会談がベトナム・ハノイで再開される。米朝の関係が注目される中、私が思うのは、アメリカと開催国ベトナムとの歴史である。今回の米朝首脳会談の場所を、アメリカは当初からダナンを希望していた。これが2度目のトランプ大統領ベトナム訪問となるが、2017年の大統領就任後、大統領は初のベトナム訪問でダナン市のダナン国際空港に降り立った。実は、このダナンこそ1965年に米海兵隊が上陸した地点であり、このダナンより当時の北ベトナムとアメリカの戦いが全地に及び、泥沼の戦争が10年にもわたって続いたのである。

先々週のメッセージでも、ベトナム戦争で両脚・片手を失って帰国したが、受け入れられずホテルの一室で自殺した若い兵士の悲しい話をしたが、戦争は、あまりに多くを破壊し、奪い去って行く。ベトナム戦争のイメージと言えば、3000℃で燃えるナパーム爆弾の攻撃を受け、服も皮膚も焼け落ち、泣き叫びながら走るこの一枚の少女の写真ではなかろうか。

30年ほど前のカナダウィニペッグ市の新聞にこの少女のストーリーが載っていた。衝撃を受け切り取った記事を今も持っている。彼女の名もキム(Kim Phuc)。1972年、当時9歳であった少女の生きるという壮絶な痛みと闘いはこの時から始まった。燃えたのは服だけでなく、走って逃げる自分の足も燃えていたという。その後、彼女は17回もの形成手術に耐えた。しかし、皮膚は癒されても、心の痛みと傷は決して消えることがなかったと言う。そんな時「あなたの敵を愛しなさい」というキリストの言葉と、皮膚を越えて深く浸透する神の愛に包まれ、彼女は内なる癒し/奇跡を体験し、クリスチャンとなってカナダに移民した。彼女は縛られていた自分の過去というアンカーからも解き放たれ、その後、戦争で犠牲となった世界の子供達の為に国際医療支援機関を設立し、神の愛と癒しを世界に届ける器となった。英語ではあるがkimfoundation.comに彼女の素晴らしい証しがあるのでぜひ見てほしい。今週、神はアジアと世界の平和の為にベトナムダナンでの奇跡をもう一度起こして下さるようにと祈り願うのである。