【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2019年2月3日

「ベンチか液晶か」

先月、教会のエアコンが新しくなったが、昨年はエレベータも新しくなったのである。綺麗になっただけではなく、内部にはカラーモニターが付いていて、乗る度に「今日は何の日」と教えてくれたりもする。以前礼拝や祈祷会後、「ありがとうございました」と皆さんにご挨拶してエレベータのドアが閉まっても、向こう側からご婦人方の声や笑声がいつまでも聞こえて来るのである。楽しさ余って行先のボタンを押し忘れているようで、その時間が結構長い事に驚かされる。やがて暫くすると「やだわぁ~、全然動いていないじゃないの」と、まるでエレベータが気が利かないかのような笑声が再び沸き上がってやっと動き出すのである。

しかし、新しいエレベータは、行先ボタンを押し忘れていると、「行先ボタンを押して下さい」と音声で教えてくれるのである。親切で便利になった訳であるが、私は、もうあのご婦人方の笑声が聞けないかと思うと寂しい気持ちにもなる。私達の社会や生活環境は、ますます便利で手が行き届いたものへと進化していてそれは素晴らしい事であるが、代わりに何かが失われていくようで、後ろ髪を引かれるのである。

もう10年以上も前、カナダから帰国して初めて東京築地の「聖ルカ国際病院」を訪ねた時の感動は今も覚えている。まず、病院1階に本物のスターバックスコーヒーが入っていた事である。思わず、「あれっ、ここはどこだったっけ?」と驚き立ち止まったのを懐かしく思い出す。更に、エレベータに乗ると、そこにはクッション付きのベンチが付いていた。もし、私達の教会のエレベータにもあんな素敵なベンチが付いていたらどうなるだろうかと、ご婦人方の姿を想像してしまった…。

まだ、土地も建物も与えられていないが、今年も早2月を迎え、新会堂建設に胸を膨らませる。大好きな皆さんと、そんな素敵な空間、そんな優しい空気に溢れた主の家を建て上げたい、そんな夢と共に一句。

 2019牧師川柳(ボクセン) 「新会堂 牧師初夢 ドット混ム!」