【横浜カルバリーチャペル】 天の窓
     
2017年9月24日

武井博 名誉牧師 著

 「文芸春秋」の10月号に「定年後の常識が変わった」という大特集記事が載りました。そこに出ていた常識の変化とは?――以前は、退職後に収入がなくなるので困った、という人が多かった。ところが、最近では、経済的に十分余裕があり、定年後に働かなくて済む人が「余裕があるからこそ、かえって、困っている」と嘆いている場合が非常に多くなっている!
 住宅地で定年後の男性高齢者が居心地良く過ごせるような場所は、ほとんどないので、地元の図書館に行ってみる。すると、開館前から高齢の男性が7人も8人も待っている!新聞コーナーでは、一つしかない経済新聞をめぐって“小競り合い”さえある!また、デパートの休憩席で居眠りをしているのも、ほとんどが高齢の男性だというのです!
 スポーツクラブでは、午前中はほぼ全員が高齢者。カルチャースクールでは、女性はわいわい楽しそうにしているのに、男性は一人でポツンと孤立!――などなど、さびしい高齢男性の姿が目立つというのです。
 そう言えば、綾小路きみまろのセリフにこんなのがあります。「仕事人間で、青筋立てて生きてきて、いよいよ定年を迎えると、先ずは女房から強烈なシッペ返し。出世はしたし、退職金も、もらった。もらえないのは、女房からの感謝の言葉。しかし、女房も、困っているんです。夫が家にいない間は、一人で楽しくやっていたのに、今じゃ“お~い、あれ 持って来い、これ持って来い、メシはまだか”と言われる内に、“あんたのメシをつくるために私の老後があるんじゃありません”と、強烈な女房の反撃!でも、男には、行く場所がないのです。そもそも、行く場所がないから、会社にばかり行っていたのです!」
 その点、皆さんには、行く場所があります!教会です。教会に来て、礼拝や、聖書学び会、祈り会や、面談会、また、賛美の練習、生け花、楽譜の準備、会堂や会議室のお掃除、やることはいっぱいあります。私はトイレ掃除をしようと神学校に行きました! この教会でも、人形劇やサインダンスに参加して、生き生きと活動しておられる方が大勢おられます。手話通訳も、いいですね。中には、聾唖者が病気になられると車で病院にお連れして、そこで手話通訳者としても用いられている人がいます。
 このように、教会には、楽しいご奉仕がいっぱいあります! また、洗礼を受けると、先ず素晴らしい天国への切符が与えられます。更に、神様、イエス様への祈りの時が与えられますし、み言葉に親しむ時も与えられます。信仰の友との交流のチャンスも与えられます。その友と共に、教会での奉仕の道も開かれていますから、手持無沙汰で巷をさ迷う時間などありません。誠に充実した人生があります。  ハレルヤ!!