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【横浜カルバリーチャペル】ぶどうの木
2015年8月23日


「辛苦(真紅)の優勝旗」

高校野球創設100周年を迎えて行われた記念大会は、地元相模 原市の「東海大相模高校」が決勝戦で「仙台育英高校」に勝利 して見事優勝した。最速151km/hの速球が武器の今大会No1 左腕・東海大相模左のエース小笠原投手に対して、仙台育英高 校も9回まで6対6と粘りに粘って食い下がったが、最後は、 小笠原投手の速球ではなく決勝ホームランで勝負が決まった。

今大会は、早稲田実業の脅威の一年生清宮選手や、関東一高のオコエ選手 などの活躍で日本中を魅了し、100周年に相応しい大会であった。それ にしても、この耐えられないような炎天下で、球児達は、仲間と泥だらけ になりながら、皆、最後まで諦めずに戦う。負けて泣き崩れる姿に私達も 共に胸も目頭も熱くした。決勝では、負けた「仙台育英」の選手だけでな く「東海大相模」の選手達も泣いていた。球児達の夢・聖堂「甲子園」に は、勝っても負けても美しい涙がある。優勝投手・小笠原選手も、準決勝 で投げた右のエース吉田投手も、インタビューで「この(優勝の)為に、 ここ(東海大相模)に来て、この為に、自分達は共に、毎日苦しい練習に 耐えて来た」と涙する姿に、彼らの長く辛い3年間の重さを知らされた。

以前住んでいた大和市の中央林間駅と小田急相模原駅の間にある「東海大 相模高校」前の道を何度もドライブしたが、あの華やかな縦縞の東海大ユ ニフォームからは程遠い背番号もない白一色のユニフォームが真っ黒にな るまで、毎日夜遅くまで電気を灯して練習する彼らの姿よく目にした。あ の優勝の涙には、あのグランドで来る日も来る日も流した汗と涙の3年間 が凝縮している。今大会で横浜高校を引退した名将(匠)斎藤監督をして 「神奈川を制した者が全国を制する」と言わしめる程、多くのライバルの 中、練習量日本一を目指したと言う。今回も、神奈川大会でも甲子園入り してからも、準々決勝と準決勝の間の一日休息でさえ、普段と同じ量の練 習をしたと言う。問われて「その一日分、成長できる!」と答えたのには 驚いた。先輩から委ねられた伝統のユニフォームを着て甲子園で頂点に立 つ為に野球一事に懸けた球児達。真紅の優勝旗は辛苦の優勝旗でもある。

キリストを着せていただいた私達にも、この世界という甲子園がある。パ ウロが「私は、後ろのものを忘れ前のものに向かって、この一事に励んで いる。」と言った福音宣教の為に、私達も勝利者としての道に生きたい!